広大な海の真ん中に取り残されたダイバー夫婦を襲う鮫の群れ!
ダニエル(ダニエル・トラヴィス)は、ワーカホリックの妻スーザン(ブランチャード・ライアン)をリフレッシュさせるためカリブ海への旅行を計画していたが、スケジュールの都合がつかず、予定より7ヶ月も遅れてようやく取れたバカンスでカリブ海へと向かうことを決意する。
しかし、せっかくのバカンスにもかかわらず、二人の携帯電話には仕事がらみの要件が次々と入ってくるうえ、スーザンはやらなければならない仕事があるといって、ノートパソコンまで持参する始末…。
カリブ海までやってきても、仕事に追われる毎日が体に染み付いているせいか、仕事を忘れてバカンスモードに切り替えることができず、イライラする二人。些細なことで口論となり、仲直りとばかりにベッドを共にしようとするも何故か気が乗らない…。決して二人の愛情が薄れたということではないのだが、あわただしい現実に追われるうちに二人の距離が段々と離れていき、それを縮めるきっかけを失っていた。
翌朝、二人はマリーナでスキューバ・ダイビングのツアーボート"リーフ・エクスプローラー号"に乗り込む。目的地は海のど真ん中に位置するマジックキングダム。船内はほぼ満員の20名の乗客で混みあっており、スキューバの経験者であるダニエルは「俺達で勝手にやろう」とグループの輪には入らずに、スーザンを連れてダイビングを始める。ダイビングでようやく精神的に解放された二人は、ウツボなどの海洋生物と戯れながら、貴重な時間を過ごすのだが…。ボートの上では二人の運命を大きく左右するある事態が起ころうとしていた。
船長はダイビング用の日誌に乗客数「20」と正しい数字を記していたのだが、船長から担当を引き継いだ助手はふとした勘違いから、ダニエルとスーザンが戻らぬうちに20名全員が帰還したと錯覚し、ダイビングに夢中になっている二人を海に残したまま残し、寄港してしまったのだ。船に戻る時間ぴったりに海面に浮上した二人は、遠くに消えようとする船尾を見て驚くが、船上スタッフが人数を数えて間違いに気づいて戻ってくるだろう、と楽観してしまう。
沖合の潮流は速く、一時間、二時間、三時間…と抗うことなく流されていく二人は、徐々に脱水症状に襲われ、自分たちが死と隣りあわせであることに気づく。360度見渡しても二人の目に入るのは大海原のみ…。酸素ボンベの残量も僅か…。そして、無数の鮫がどこからともなく、その姿を現すのだった。絶体絶命の二人はどうなってしまうのか!?
2004年1月、サンダンス映画祭。1998年「バッファロー'66」、1999年「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」、2001年 『メメント』と、常に若い才能を発掘し、世界から注目を集めるインディペンデント映画祭の最高峰において、「オープン・ウォーター」は驚異の映像で観客の度肝を抜いた。撮影機材はソニーのプロ用DVカムのみ。回想シーンや無駄なサイドストーリーを排除し、淡々と時系列に進むストーリーが、あたかもドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥らせる。
一切の撮影技工を排除し、流行りのCG、またスタントさえも使わずに主演俳優たちが本物の鮫がウヨウヨする海の中で芝居をするというこれ以上ないリアルな恐怖の領域。主演のブランチャード・ライアンとダニエル・トラヴィスは、本作品を撮影するため本物の鮫を始めとするあらゆる海洋生物が生息する、海岸沖32キロの海原で120時間以上も過ごしたという。